今月読んだ本 [本]
魔術師(イリュージョニスト)
ジェフリー・ディーヴァー 著
リンカーン・ライムのシリーズ 5作目
音楽学校に通う女生徒が人気の少ないホールで殺されたが、
容疑者を追い詰めたと思っていた警官二人のそばから、容疑者が消えてしまった。
消えた容疑者の行方がわからない警察は、ライムに捜査を依頼してきた。
アメリアがいつものようにグリッド捜査をし、集めた物的証拠の数々から、
マジックの小道具が発見され、マジックショップの聞き込みを行っていた。
あるマジックショップで知り合った見習いのマジシャン カーラの協力を得ることが出来、
犯人は相当熟練したマジシャンで、マジックの技能を駆使していると判断された。
しかし、第2の犯行は起こり、犯人に直接結びつく証拠は出てこなかった。
しかし、ライムは第3の犯行に結びつきそうな証拠を発見する。
そして、第3の犯行を阻止することが出来たものの、犯人には逃げられてしまった。
これ以上、内容を書いてしまうと未読の人の楽しみを奪うので書かないが、
まるでマジックの技法そのもののように、ストーリーが展開される。
読み応え充分、おすすめである。
虚空の旅人
上橋 菜穂子 著
著者がシリーズの流れを変えたと位置づける一冊。
新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた。
サンガル国は複数の島々がまとまりひとつの国となっている海の国で、島守と呼ばれる男たちが、
それぞれ王族の血をひいた女たちを妻にしていた。
新王即位儀礼を間近に控えた頃、ある島に〈ナユーグル・ライタの目〉と呼ばれる
海底の民に魂を奪われた少女が現れた。
〈ナユーグル・ライタの目〉に選ばれた子供は、王宮でもてなされ、
最後には海に突き落とされるというしきたりがある。
王宮で、その少女を見かけたチャグムは、自分が「精霊の守り人」となっていた日々を思い出し、
その少女を助けられないかと考える。
しかし、その少女を隠れものとして、とてつもない陰謀が実行されようとしていた。
チャグムは、相変わらず、皇太子という地位に息苦しさを覚えて、もがきながらも、
いずれは王になるものとして精神的に成長している。
シュガは、そんなチャグムを危ういと思い、守らなければと思っている。
バルサやトロガイ師は出てこないが、新たな国が登場するなど、読み応え充分である。
2008-11-30 22:47
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