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今月読んだ本 [本]


狐罠 (講談社文庫)

狐罠(きつねわな)
北森鴻 著

店を構えずに古美術の売買を行う人のことを「旗師」という。
主人公、「旗師」宇佐美陶子は、
橘という大きな店を構える人物に贋作を売りつけられる。
陶子は「目利き殺し」にあったのだ。

ある日、保険の調査員が尋ねてくる。
話をするうちに陶子は橘に趣旨返しの「目利き殺し」を仕掛けることを思い立つ。
その後、橘の店に勤める右腕と目される女性が殺され、
刑事たちが尋ねてくる。

話は、「目利き殺し」に必要な仕掛けと殺人事件が
絡み合い、緊迫感が増していく。

古美術と言えば、以前読んだ「7番目のユニコーン」という本が、
おもしろかったなぁ。


おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)

「おまけのこ」
畠中恵 著


おなじみ長崎屋の若だんな一太郎が主人公のシリーズ。
次の5本のお話からなる短編集

「こわい」
狐者異(こわい)という妖が長崎屋に現れる。
飲めばたちまち一流の職人になれるという天狗の秘薬を持っているが、
己の望みをかなえてくれた者にその薬をやると言う。
かかわると本人だけならず周りの者には災いをもたらすからと、
2人の手代は若だんなやその場に居合わせて職人達に「かかわらないように。」と釘をさす。

しかし、若だんなは、そんな狐者異(こわい)が気になり、声をかけるが・・・

「畳紙(たとうがみ)」
於りんちゃんが屏風のぞきの印籠を長崎屋から持ってきてしまい、
それを預かっていたお雛さんのところに、印籠を取り返しに屏風のぞきが現れた。
夢だと思っているお雛さんは、屏風のぞぎに悩みを打ち明ける。

屏風のぞきが大活躍

「動く影」
幼い日の若だんなのお話。
大人たちが噂している飛縁魔という妖と、子供達が見たという妖、影女。
若だんなが妖怪退治に栄吉と近所の子供達と共に動き出す。

「ありんすこく」
若だんなが吉原の禿を足抜けさせる?
とうとう、若だんなにも恋が・・・
とはいかないのが、若だんな。
病療養させたくても、思うようにならない楼主の希望をかなえる為に
若だんながひと肌脱ぐ。

「おまけのこ」
鳴家の大冒険。
長崎屋の母屋で「お月様」を見つけた鳴家、
その「お月様」が盗まれそうになり、思わず犯人の手を噛んだ。
驚いて犯人が手を払った途端、鳴家は外へ飛ばされてしまった。
溺れそうになったり、からすに捕まったりしながらも、
鳴家は「お月様」を離さない。
若だんなは、長崎屋で一度に起こった暴行事件と窃盗事件に
鳴家もかかわっていると手代2人と探しに出かける。

テレビドラマの「しゃばけ」に出てきた鳴家、
ちょっと西洋風だったけど、可愛かった。
次回、ドラマ化の際は、ぜひこの「おまけのこ」も
やってほしいな。


狐闇 (講談社文庫)

狐闇(きつねやみ)
北森鴻 著

宇佐美陶子が古美術商の鑑札を返却して、
旗師ではなくなっているところから話が始まる。
そういう事になった事の顛末を遡って進んでいく。

旗師は、市に入れないお客の代わりに
客が希望する商品を競り落とす事がある。
今回、青銅鏡の入手を依頼された陶子は、
何とか青銅鏡を2枚手に入れるが、
そのうちの1枚が会場で見せられたものとは違っていた。
その鏡を手に入れてから、陶子の運命が変わってしまった。

古墳の盗掘や征韓論などが出てきて、
陶子は翻弄されながらも核心に迫っていく。


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